「私は気にしすぎ?」と感じるあなたへ。HSP気質と“正確さへのこだわり”の付き合い方

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「私は気にしすぎ?」と感じるあなたへ。HSP気質と“正確さへのこだわり”の付き合い方

HSP・医療従事者・自衛官に共通する“こだわり疲れ”をほどくヒント

人一倍丁寧に、責任感を持って仕事に向き合っているのに、なぜかいつも疲れている——そんなことはありませんか?
もしかしたらそれは、HSP気質と“正確さへのこだわり”が強く影響しているのかもしれません。

この記事では、HSPの特性を持つ私が、自衛隊という組織で「完璧であろう」とし続けた日々と、その中で気づいた“ちょっと緩める工夫”についてお話しします。



 1. HSPの「正確さ」へのこだわりと疲れの関係

HSPの人は、もともと感覚が繊細で、小さな違和感やミスにもすぐに気づきます。

それ自体は素晴らしい強みですが、「間違ってはいけない」「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちが強くなりすぎると、常に自分を緊張させることになり、結果として慢性的な疲れにつながります。

一文字の誤字、一枚の書類のズレ、周囲のちょっとした表情の変化——そういったものを“無視できない”のがHSPの特徴でもあります。


 2. 自衛隊という環境でそれが強化される理由

私は看護師として25年間、自衛隊病院や衛生隊等で勤務していました。

自衛隊に限ったことではありませんが、「ミスをしないこと」「報告・連絡・相談を正確に行うこと」が強く求められること、また階級社会なので上下関係も厳格で、「やるべきことを完璧にやる」のが当然とされる文化があります。(某総監がそんな要望事項を出していたことがあったなあ。)

さらに、医療従事者という職種の特性上、「間違い=命に関わる」という現実があります。

医療の現場では、「絶対にミスをしてはいけない」という緊張感が常にあります。 それは当然の責任でもありますが、HSP気質の私には、必要以上にそのプレッシャーを背負い込みやすい傾向がありました。

ちょっとした指摘にも敏感に反応してしまい、「あの言い方は怒っていたのかも」「ちゃんとできなかった私はダメなのかも」と、自分を責める材料にしてしまう——そんな日々の積み重ねが、知らず知らずのうちに心のエネルギーを奪っていたと振り返ります。


 3. 私が見つけた“ゆるめる”3つの工夫

HSP気質と「正確であろう」とする自分。 どちらも否定する必要はありません。

でも、そのままではいつか疲れ果ててしまう——だから私は、自分を“ちょっと緩める”工夫を意識的に始めました。

① 「90点でOK」と声に出してみる

すべて100点を目指すのではなく、「90点で充分」「今の自分にはこれでよし」と声に出してみる。

……とはいえ、これが意外と難しいんです。

私も最初は「それって手を抜くことじゃないの?」と、自分を責めるような感覚がありました。

でも、“今の自分”にとって無理のないラインを見つけることは、決して甘えではありません。

世の中全体を見渡せば、「80点とれたら上出来」と言われることもあります。 それでも90点を目指せる自分は、それだけで十分すごいこと。

たとえば、私は看護部対象の教育計画を担当したとき、内容やスライドを完璧に作り上げるまでどうしても提出できずにいました。

「もっと見やすくできるかも」「この表現で誤解されないか」と、何度も何度も修正を重ねてしまい、提出がギリギリになることもありました。

そこで私は、「自分が納得したタイミングで一度出してみる」「必要ならあとで修正すればいい」と、自分にルールを作るようにしました。

最初は不安でしたが、提出後に大きな問題になることはなく、十分に評価される内容でした。 「90点でも十分通用する」という実感が、少しずつ自信になっていきました。

「今はこれで大丈夫」と、少しずつ自分に言い聞かせていくことで、いつの間にか気持ちが軽くなる瞬間が増えていきました。

② 「ミスを前提に仕組みを作る」

人間はミスをするもの。だから、完璧を目指すのではなく、「もし間違えても大丈夫なように」確認フローを作ったり、見直しのタイミングを設けるようにしました。

たとえば、資料の作成や申し送りの文書では、他の人にもチェックしてもらうルールを作ったり、自分の気持ちが落ち着いている時間に見直すなど、“二重の仕組み”を持つようにしたことで、安心感が違いました。

「絶対にミスをしない自分」ではなく、「ミスをしても大丈夫な環境を作る自分」でいられるよう意識しました。

③ 「緊張している自分」に気づいたら休む

無意識のうちに肩に力が入っていることがあります。 そんなときは深呼吸したり、お茶を一杯飲んだり、「今、自分は張り詰めてるな」と自覚するだけでも十分です。

私の場合、ナースステーション隣の診察室が空いているときに一人になれる数分を見つけて、椅子に座り直して深呼吸するようにしていました。 忙しい中でも“区切る”ことを意識するだけで、ずっと張り詰めた状態が緩んでいくのを感じました。

※休むことに罪悪感を持たず、「小さく整える時間」だと考えるようにしています。


まとめとあなたへ伝えたいこと

HSPの「正確さへのこだわり」は、あなたの強みでもあります。 でも、それに自分が押しつぶされそうになるなら、ちょっと緩める工夫が必要です。

すこし肩の力を抜くことで、あなたの優しさや丁寧さは、もっと自然に、もっと長く続けていけるはずです。

まずは今日一日、「90点でもいい」と心の中でつぶやいてみてくださいね。

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