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感受性の強さは、実は組織を支える力になる。繊細さと向き合ってきた自衛官としての実体験から伝えたいこと
「なんでこんなことまで気になるんだろう」
「察しすぎて、疲れる」
自衛隊という環境の中で、私は自分の“感じすぎる性格”がずっとコンプレックスでした。
でも、それがHSPという「気質」なのだと知ってから、自分を責めるより「この力をどう活かすか」を考えるようになりました。
今回は、28年自衛官として働いてきた私が、「気づきすぎる自分」を責めるのではなく、“強み”として使えるようになるために大切にしている3つのヒントをお伝えします。
1. 「違和感」は“弱さ”ではなく“早期発見のセンサー”
看護官として働いていた私は、師団・旅団から方面衛生隊、病院までの後方支援を担当してきました。
私は当時1等陸尉でした。部隊では幹部自衛官(看護官)として中堅幹部の立場から治療班や診療技術班等、また他部隊との調整など、現場の支援に携わっていました。看護官は、医官とともに隊員の健康管理や衛生教育を担うほか、災害派遣や演習などの際には衛生面の助言や対応を行う役割もあります。平時に現場で特に求められたのは、隊員の体調やメンタルのわずかな変化に気づく力です。これは病院で働く一般的な看護師の気づく力と同じだったと振り返ります。
「なんとなく今日、あの人の顔色が違う」「会話のトーンが少し硬い」——そんな“小さな違和感”が、実は後々の不調やトラブルのサインであることが多くありました。
HSP気質の私は、その違和感を無視できず、気になって仕方がない。
でもそれは、**“気づきすぎる自分”だからこそできた「予防の対応」**だったと、今では思います。
繊細な人こそ、組織の「見えにくい異変」にいち早く気づけるセンサーを持っているのです。
2. 感謝されても「嬉しい」と思えない理由
もちろん、そのような気づきが感謝されることもありました。
「早めに対応してくれて助かった」「気にかけてくれてありがとう」
でも正直、私はあまり「嬉しい」と感じていませんでした。
なぜなら、それが“当たり前”だと思っていたから。
「他の人はなんで気づかないの?なんで私だけが気づいてしまうんだろう」と、むしろ**“気づくこと”自体が負担**になっていたんです。
それでも今になって思うのは、それが自分の「力」だったということ。
嬉しいとか嬉しくないとかではなく、「私にはこういう視点がある」「だからこそ担える役割がある」と認識できるようになると、少しこころが楽になりました。
3. 自分の“感覚”を否定せずに扱う
HSP気質の人は、感情の起伏も受け取りやすく、人間関係に疲れやすい側面があります。
でもそれは、相手のサインに気づきやすい=サポート力が高いということでもあるのです。
私は「気づいてもすぐには動かない」「まずは記録やメモに残す」という小さな工夫で、自分の“感覚”と距離を取るようにしてきました。
感じすぎる自分を抑え込むのではなく、受け止めて活かす方法を持つことが大切。
感受性は、そのまま“責任感”に変えなくてもいい。
まずは「私はこう感じる」「でも、どう対応するかは一呼吸置いて考える」というスタンスを持つだけで、自分のこころの摩耗がぐっと減りました。
まとめとあなたに伝えたいこと
もし、今「気づきすぎて疲れている」なら、その感覚を無理に否定しなくてもいいんです。
誰かの役に立っているとわかっていても、心が追いつかないときがある。
そんなときこそ、「私はどうしたいのか」「今、何がしんどいのか」と静かに向き合ってみてください。
気づける力があるあなたは、同じくらい「自分の声にも気づける人」になれるはずです。
繊細さを、どうか責めないでください。
あなたのままで、ちゃんと意味がある。そのままの感受性が、誰かの支えになる日がきっと来ます。